ライフスタイル

治療を継続することに合わせて、病気からの快復においてライフスタイルを整えることはとても大切になります。

ライフスタイルは大きく分けて、食事・運動・睡眠・ストレス・コミュニケーション・セルフコンパッションの6つに分けられます。身体のライフスタイルに合わせて、心にもライフスタイルがあることが特徴です。日々の心で思うこと・身体のケアの積み重ねで健康は成り立っています。ご自分の症状に合わせて、無理なく快適なライフスタイルをつくりましょう。

また、ライフスタイルに囚われ過ぎることも、体調を崩す原因となることがあります。力まずリラックスして、自分の心と身体が求める生活スタイルに耳を傾け、それを満たすことを軸に据えれば良いでしょう。そうすれば、自ずからイキイキと生活でき、病気をお持ちの方も生活面から体調を上向きに引っ張っていくことができます。

食事(ライフスタイル①)

医食同源という東洋医学の言葉にもあるように、健康を保つのは日々の食事が大きく影響します。バランスよく適量とりましょう。食べ過ぎ、飲み過ぎなどの暴飲暴食を続けると、病に直結します。ストレスを解消するコーピングを行い暴飲暴食でストレス発散する習慣を手放しましょう。また、偏った食生活は生活習慣病にもつながります。日々の食生活が自分の健康を形作るという認識を持って、規則正しい食事、腹八分、バランスを良くを心がけましょう。

運動(ライフスタイル②)

身体を動かすことは、気を動かすことにつながります。疲れすぎない程度に、楽しみながら、身体を動かせればいいですね。健康を意識するのであれば、気功や太極拳、公園など自然の中での散歩がおすすめです。激しい運動は、慣れている場合以外は、ライフスタイルに馴染ませる事は難しいため、継続が困難になる場合が多いです。

運動に慣れていない方は、歩くことや体操して身体をほぐすなど、徐々に段階を追って負荷をかけていくとスムーズに習慣をつけれるでしょう。朝、外出して、朝日を浴びながら歩くことも無理がないので良いでしょう。歩くのが難しい方は、窓際で日光を浴びるだけでも効果があります。

睡眠(ライフスタイル③)

7時間〜9時間程度、個人差はありますが、睡眠をしっかり取ることが重要です。日々の生活に追われ短くなりがちですが、昼寝なども活用して、起きている時間を充実させましょう。睡眠リズムが崩れている方は朝起きた時、カーテンを開ける、外に散歩に行くなど日光(曇りや雨でも効果あり)を浴びる習慣をつけるといいでしょう。環境的に現代人は夜型になりがちですが、日が変わる前には就寝できれば理想的です。

ストレス(ライフスタイル④)

ストレスマネジメントでもあります。心の持ちようや、人間関係で大きくストレスが作用します。自分の気持ちに気づいてやり、自分の気持ちに寄り添うことが重要です。自分に厳しく当たらないことが大切です。我慢のしすぎは禁物です。

病気になってからでは遅い。心のキャパシティーを意識し、閾値を超えないよう前もって調整する必要があります。自分なりのストレス解消法を見つけ、趣味を楽しむ、自然の中に出かけるなど、リラックスして過ごすように心がけるとストレスは解放されます。

一時的にストレスフルになった場合は、対話やカウンセリングのサービスを活用すれば、自分を客観的にみることが出来、ストレスの低減に役に立ちます。別項の瞑想・ジャーナリングを継続しても同じ効果を期待できます。

セルフコンパッション、自己受容もストレス対策には有用です。自分の感情を否定せず抑圧せず逃避せず、そこに在ることを認め、受け入れ、そのしなやかさと強さを適切な形で表現することができれば、人間関係をより良くできるでしょう。

コミュニケーション(ライフスタイル⑤)

家族、友人関係や社会的つながりが、心の養分となります。人は一人で生きるのは難しいですし、お互い助け合いながら関係を築くことが重要です。人とのコミュニケーションではないですが、お笑い番組を見て笑うなど、笑う機会を一日の中で取り入れると、心も伸びやかになります。

孤食(一人で食事をする事)が多い状況ではありますが、積極的に人と話をする姿勢を持つことが大切になります。仕事を通して、家族を通して話す人がいない場合は、自分なりの趣味を持って、趣味の交流に出かけることや、目的のある勉強会に出かけ同志を見つけることもよいでしょう。

アサーティブコミュニケーション、自己肯定感をもつこと、自分軸を持つこともコミュニケーションでは大切な要素となります。それらの心理的なアプローチの素養を高めることも、コミュニケーションをより深化しより良い人間関係で豊かな生活をすることは、健康のベースとなります。

セルフコンパッション(ライフスタイル⑥)

セルフコンパッションの基本は、自分や他人の幸せを願い、思いやりを伝えるものです。自分への優しさ・マインドフルネス・共通の人間性の3つを軸にしています。

自分に優しくあることは、自己肯定感という言葉でも表すことができます。自分を肯定することはとても大事で、どんな時も自分を責めないことが大切です。もちろん人間は完璧ではなく、弱い存在でもあります。自分を責めてしまっても、それに気づき、そんな自分にもOKを出してやるその姿勢が、自分を肯定することに繋がってきます。

一朝一夕には自己肯定感は育ちませんが、意識していれば少しずつ育っていき、生きることが楽になってきます。そうして心の状態が落ち着いてくると自然治癒力が高まり、病気になりにくい身体を保てます。

セルフケア

ライフスタイルに合わせてセルフケアを取り入れるといいでしょう。ここではその方法を紹介いたします。手や足を動かすことや、身体の感覚に意識を向ける事を中心に、自分のライフスタイル合わせて取り入れると習慣化しやすくなります。

病気にかかっている最中は、取り入れづらいセルフケアもあるでしょう。無理をせず、自分のできること、気の進むことを少しずつから始めていき、続けることが大切です。大げさに考えず、軽やかな気持ちで気持ちで始めてみることが未来につながります。

以下はセルフケアの一例です。楽しみながら工夫しながら実践してくださいね。

  • ウォーキング・ジョギング セルフケアの基本です。動き慣れている方はジョギングで汗を流すと良いでしょう。運動に自信がない方は、一日15〜20分程度のウォーキングから始め、徐々に時間を伸ばしていくことがおすすめです。足の裏の感覚、呼吸、自然の景色や空の彩等、内面に起きてくる感覚に集中し、今ここの気づきを持って運動すると、心身が整います。大きく始めなくてもいいので、短い時間から継続することが何よりも重要です。
  • 太極拳・気功 ゆったりとした呼吸に合わせた動作は副交感神経を活性化させます。ゆっくり動くことで気分も穏やかに導かれます。YouTubeなどで5分間太極拳など手軽に真似して行えるので、気軽に試すこともできます。
  • マインドフルネスストレッチ マインドフルネス瞑想よりも手軽に行えることが特徴的です。オンラインのマインドフルネス瞑想のクラスで、瞑想前の導入としてレクチャーされていますので身体をほぐすようにリラクゼーションとしても有効です。
  • 深呼吸 いつでもどこでもだれとでも、実践することができます。吐く息を長く、数を数えながら繰り返すのが良いです。慣れてくれば歩きながら、作業しながら、自動的に長く息を吐く深呼吸ができますので、リラックス法として身につけるといいかもしれません。
  • 入浴・サウナ 就寝の2時間前に40℃前後のお湯に肩まで10分間湯船につかると、眠りがスムーズに行えます。リラクゼーション効果もあるので習慣にするのもありです。サウナも汗を出してリフレッシュできます。
  • 歌う 腹の底から声を出して、息を深く吐きながら歌うと、感情と気が身体の中で循環します。モヤモヤしている時など、音楽に合わせて歌ってみるとスッキリするかもしれません。
  • ダンス YouTubeなどで音楽のメロディーに乗りながら身体を動かすエクササイズがたくさん紹介されていますので、身も心もスッキリするのに有効です。家の中ででき大きなスペースも必要ありません。
  • トレッキング 家の外に出て山歩きすれば木々のマイナスイオンにも触れられ、木々の緑で目の保養、身体の運動にもなります。途中でゆっくりコーヒー・お茶を味わうのもいいリラクゼーションになります。